September 25, 2014

High Noon, 1951

DVD, 2014/9/18

Gary Cooper's arms are so long in the white shirt.
He looks tired when he walks.
Long time had passed since THE DESIGN OF LIVING.
But twice as much time has passed since this movie until now.

FRANCES HA, Noah Baumbach 2012

At Shibuya, Euro space, 2014/9/22 17:00

Enjoyed but a bit disappointed at the same time, because it was not as good as Baumbach's THE SQUID AND THE WHALE.

December 27, 2012

ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー『ローラ』『マルタ』『マリア・ブラウンの結婚』

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この師走にライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの作品を立て続けに見た。『ローラ』('81)『マルタ』('74)『マリア・ブラウンの結婚』('79)の三本を、この順番で見た。

ファスビンダーは今まで見たことがなかったが、僕の接する情報では、70年代のドイツ映画はヴェンダース以外は霞がかったような位置付けにあったのが理由だろう。

ある作家のレトロスペクティヴを初めて見ると反射的にやってしまう、他の作家と似ている点の指摘という愚行をここでやってしまうなら、まずはブニュェル、そして、神代辰巳のことが頭をよぎった(後者は確信が無い。単に同時代性ということかもしれない)。

とはいえファスビンダー自身、アクの強い個性を持ってるのだけど、それについては一目瞭然なのでやめておく。ただ、今回見た三本に共通するのは、魅力ある主人公達が執拗にその名前を呼びかけられ続けることである。登場人物たちはまるで、ローラ、マルタ、マリア、という三者三様の個性を持った彼女らの名を呼びかけているうちに、だんだんと彼女らに惹きつけられ、依存度を増してゆくかのようであった。

March 07, 2012

おとなのけんか('11/ロマン・ポランスキー)

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原題はCarnage。「殺戮」という意味らしい。予告編を見ていたので、子供のけんかについてそれぞれの両親が話し合いの場を設けたものの、やがて彼ら自身がけんか腰になってゆくお話だということはわかっていたけど、けんかがどこまで発展するかはわからないので、あのポランスキーが、この原題で撮っているということで、事態がどこまで残酷性を増すのか、ビクビクしながら見ることになる。79分という上映時間も、もしやあっけない終幕(全員死亡、など)が待っているのかと不吉さを助長する。結果として「殺戮」にはいたらず、ひねりのきいたコメディの範疇を出ませんでした。ホっとしたよ。あ、ネタバレでしたねすみません。

ところでロマン・ポランスキーは、大好きな監督の一人です。ポランスキーのフィルモグラフィを振り返ると、軽いめまいを覚えるくらいに好きです。去年のゴーストライターがとてもよかったし、その他も、特にどれがいいというわけでもないのだけれど、あの幅広のスクリーンに展開される画面と距離感を偏愛しております。この映画は置いておいて、総じて女性の趣味もよいのではと思っている。合衆国に出禁になったかつての事件などからロリコンなパブリック・イメージがあるけど、映画を見る限りはわからない。少なくとも俺には。ちなみにジョディ・フォスター、やっぱ怖いです。

August 27, 2011

エルミタージュ幻想('02)アレクサンドル・ソクーロフ

映画都市東京では、ソクーロフのレトロスペクティブなどがいきなり開催されたりするものだがら、全く油断ならない。その名前は何度も目にしていたエルミタージュ幻想だが、観るまで知らなかったのだけど全編を1カットで撮ったという画期的な映画なのだった。これはまさに夢のような、映画だった。告白すると、前半うつらうつらしていたので、文字通り夢と映画の区別がつかず、というところもありそれはそれで心地よかった。

そもそも1シーン1カットって、デジタル時代のいま、なんでえらいんだっけ?と思いがちなのだけど、この映画を観ればわかります。なんというかまあ、ひとことで言えばグルーヴ。最後の舞踏会解散のシーンに至まで、画面からみなぎるこの感じ。是非味わってほしい。ちなみにこの映画、周到な準備を重ねて、一度目の撮影で仕上げたそうである。舞台裏についてはYouTubeで観れる。

小さな哲学者たち(2010)ジャン=ピエール・ポッツィ、ピエール・バルジエ

新宿武蔵野館で。フランスで幼稚園児に哲学談義をやらせる、という試みのドキュメンタリー。内容はともかく、驚いたのはフランスの幼稚園では既に恋愛が普通にあるということ。元カレとかいう概念もあるし、そういうことに教師も含めてなんのてらいもない。いまは日本でもあるのかな?今気づいたのだが、俺も外人にまじって幼稚園いっていたものだった。だけど全然覚えていないなそういうの。日本人とつるんでた覚えはあるが。

スーパー8(2011)J.J.エイブラムス

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良質な映画である。オープニングの雪景色、脇が甘い感じでも盛り上がって、ぐじゃぐじゃになって、きれいに終わる映画。いいです。エル・ファニングはかわいい。むしろ見終わって、じわじわとかわいかったなあという気がしてきた。適当に楽しめる映画、貴重です。

ナッシュビル('75)ロバート・オルトマン

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自分が生まれた1976年の映画を収集、つまり見ていくことをやっていきたいと常々思っているのだが、この映画は惜しくもその前年1975年の映画だった。悔しい。今では、この映画が撮られた年に生まれたと言いたかったという思いが強い。

ナッシュビルという映画は、ショート・カッツやウエディングといった作品でオルトマンの群像劇が気に入ってしまった者としては、伝説的な作品だったのだが、このたび新宿武蔵野館で上映されて観れたのだが、オルトマンの群像劇の中でもナッシュビルは、最高だと思った。見終わって数日間、何度もこの映画のことを思い出していたが、そういう映画はあまりない。

ツリー・オブ・ライフ(2011)テレンス・マリック

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とりわけ映画の感想を言うときには、形容詞は避けなければならない、という強迫観念がつきまとうものだが、今日以降、形容詞をどんどん使っていこうと思う。テレンス・マリックが今年のカンヌでパルムドールを穫ったこの作品は、すばらしく美しい作品だった。

映画館で見てよかったと、心底思ったのは、画面が美しいからというのもあるが、一方でそれにふさわしくない退屈さも持ち合わせた映画だったからだ。前半、海辺に打ち上げられた動物が「恐竜」であると判別したときの違和感。その違和感を「面白い」と思うか否かでこの作品への評価は別れるわけだが、自分自身この映画がいいのか悪いのか、結局よくわからなかった。まあそんな映画が最高な部類の映画ではないことだけは確かなのだが、モノローグの宗教的な部分がすべて聞き取れないことが功を奏して、悪くないな、などと思って映画館を出た。満足。

March 06, 2011

溝口健二の「楊貴妃」と「祇園囃子」を見る

マノエル・デ・オリヴェイラは、溝口作品について、印象に残っているものは「楊貴妃」といっていたが、慧眼である。これはオリヴェイラが言っているから正解、というような断言である。それくらい、「楊貴妃」はつまらない。ちょうどいっしょにDVDで「祇園囃子」をみたけれど、こっちは隅々まで最高の映画で、そこで画面にみなぎっていた躍動感は「楊貴妃」ではすっかり陰を潜めている。かつて、晩年の溝口作品で助監督をしていた増村保造が指摘していたとおり、中国の宮廷なんていう場所が溝口にとってあまりにアウエーだったから、というのがその理由なのだろう。新平家物語同様、カラーもよくないと思います。

ジャンヌ (1995)ジャック・リヴェット

この、前後編にわかれた、だらだらと長い映画を見て、改めて俺はジャック・リヴェットが好きだと思い知った。なぜか知らないけど、やたらと心地よい。とくに感動とかはしないのだが。偏愛。特に前編。

上の動画は前編の最後、戦争になってから。なんと気迫の感じられない戦闘シーンか。

ジャンヌ役のサンドリーヌ・ボネールは、見ているとジャンヌ・バリバールに似ているな、と思った。
しばらくジャンヌ・ダルク追ってみようとおもう。

February 28, 2011

トスカーナの贋作(2009)アッバス・キアロスタミ

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キアロスタミという名前にビビった人以外、特に見る必要はありません。僕は大いにビビって見に行きました。なぜ見に行く必要がないかは、説明できませんが、いわんとすることは、見てみればわかると思います。

February 20, 2011

ヒアアフター(2011)クリントイーストウッド

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見終わって、江原さんに謝りにいこうかと思った(嘘)。
ちょうど写真のシーンで泣きました。
しかしイーストウッドのロンドンはいまいちロンドンっぽくない。

February 14, 2011

ナイト・アンド・デイ(2010)ジェームズ・マンゴールド

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DVDで。もちろん蓮實氏のベスト10に入っていたから。おりしも自分のトム・クルーズブームに乗って。with or without トム・クルーズ。写真のシーンの前、この島に向かうときのボートを運転する後ろ姿から、島について魚を持って海からあがってくるシーンへの流れは、面白すぎて何度か見た。この映画に味をしめて、いま公開中の「ツーリスト」も見た方がいいのか?と思っている。脈絡はないのだが。

February 11, 2011

バンドワゴン(1953)ヴィンセント・ミネリ

すずきしげるじゃないよ。
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コラテラル (2004) マイケル・マン

DVDで。この映画、蓮實氏の2000年代ベスト10に入っています。そんな先入観がに浸かりながら見たのですが、ほんと心に残る映画になりました。トム・クルーズ演じる殺人マシーンが妙に愛おしくなってくるような、無意識に訴えかける演出が次々と来ます。あと夜のロサンジェルスのすばらしいこと。タクシーに乗る二人の前にコヨーテが現れるシーンがあって、そこで上の動画の音楽が流れるんだけど、そこ最高。

February 08, 2011

コンチネンタル(1934)マーク・サンドリッチ

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バンド・ワゴンを見て、フレッド・アステアの若い頃がみたくなってみた、RKOのミュージカル。1934年公開。そう、1934年は、映画にとって転機となる年だという仮説があるが、そんな年に作られた映画。ダンス以外のコメディは、それほど洗練された感じはしない。共演はジンジャー・ロジャーズ。バンド・ワゴンに比べるとアステアが若い。頭が丸くて、なんか可愛い。アステアのキャリアについては殆ど知らないけど、この映画のときは、映画デビューした次の年にあたるらしい。

宇宙戦争(2005)スピルバーグ

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"war of the worlds" っていう原題が異様に好きです。
さすがにこの映画をDVDで見た、とかはわざわざ書かなくていいか、と思わせるところがスピルバーグにはある。

サンセット大通り (1950)ビリー・ワイルダー

この映画、やっと見た。セシルBデミル、こんな人かー。
なにより、シュトロハイムの「アクション」が聞けて感動しました(動画参照)。

GWグリフィス、セシルBデミル、そしてシュトロハイム・・たしかにすごい時代だ。
っていう見方しかできませんでしたけど。

January 23, 2011

アンストッパブル('10)トニー・スコット

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巨匠トニー・スコットによる、アメリカン・ヒーローのできるまで。列車の轟音に追い立てられるように映画は進みつつ、アメリカ映画のヒーローに必要な要素をひとつひとつ拾って、拾い終わったところでハッピーエンドとともに映画は終わる。最高に楽しい。デスプルーフのロザリオ・ドーソンが気骨のある女性中間管理職という、いい脇役で出ていた。

January 21, 2011

FILM SOCIALISME(2010)JLG

もはやこの予告編を貼付けることだけで意気が上がる。
旅行中のパリと、東京で一度ずつ見たけど、2回目のほうが断然楽しめた。

QUO VADIS EUROPA?


青い青い海(1935)ボリス・バルネット

アテネフランセでボリス・バルネットの青い青い海を見たあとクリス・フジワラ氏の講義を聴いた。

美しい映画でした。ネックレスが切れてボロボロ玉が落ちるシーンは息を飲みます。俺にとって、戦前のソ連映画は12年前にフィルムセンターでピアノ演奏つきでドブチェンコのサイレント映画「大地」を見て以来だったのだが、フジワラ氏によるとそのドブチェンコはソ連映画のキーマンとのことだった。

以下、クリス・フジワラ メモ
音、シュールレアリスム、アメリカ、ドヴチェンコからタルコフスキーへ、ジガヴェルトフとウクライナ、個人的な時間の流れ、erasure(消去すること)、波と帆布

January 20, 2011

エリックを探して(2009) ケン・ローチ

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ケン・ローチ好きはさすがにあいつに譲るとして、エリックを探して、見た。
感動。あの友達連中のデブさ。デブは頼もしい。もちろんカントナも。

幸せの雨傘(2011)フランソワ・オゾン

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なんだこの「良質」な映画。
途中からドヌーヴがヒラリーに見えたよ。

羊たちの沈黙(1993)ジョナサン・デミ

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こんな映画を思い立って借りて見て楽しんでしまうこともあるもんです。

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