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おとなのけんか('11/ロマン・ポランスキー)

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原題はCarnage。「殺戮」という意味らしい。予告編を見ていたので、子供のけんかについてそれぞれの両親が話し合いの場を設けたものの、やがて彼ら自身がけんか腰になってゆくお話だということはわかっていたけど、けんかがどこまで発展するかはわからないので、あのポランスキーが、この原題で撮っているということで、事態がどこまで残酷性を増すのか、ビクビクしながら見ることになる。79分という上映時間も、もしやあっけない終幕(全員死亡、など)が待っているのかと不吉さを助長する。結果として「殺戮」にはいたらず、ひねりのきいたコメディの範疇を出ませんでした。ホっとしたよ。あ、ネタバレでしたねすみません。

ところでロマン・ポランスキーは、大好きな監督の一人です。ポランスキーのフィルモグラフィを振り返ると、軽いめまいを覚えるくらいに好きです。去年のゴーストライターがとてもよかったし、その他も、特にどれがいいというわけでもないのだけれど、あの幅広のスクリーンに展開される画面と距離感を偏愛しております。この映画は置いておいて、総じて女性の趣味もよいのではと思っている。合衆国に出禁になったかつての事件などからロリコンなパブリック・イメージがあるけど、映画を見る限りはわからない。少なくとも俺には。ちなみにジョディ・フォスター、やっぱ怖いです。