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ツリー・オブ・ライフ(2011)テレンス・マリック

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とりわけ映画の感想を言うときには、形容詞は避けなければならない、という強迫観念がつきまとうものだが、今日以降、形容詞をどんどん使っていこうと思う。テレンス・マリックが今年のカンヌでパルムドールを穫ったこの作品は、すばらしく美しい作品だった。

映画館で見てよかったと、心底思ったのは、画面が美しいからというのもあるが、一方でそれにふさわしくない退屈さも持ち合わせた映画だったからだ。前半、海辺に打ち上げられた動物が「恐竜」であると判別したときの違和感。その違和感を「面白い」と思うか否かでこの作品への評価は別れるわけだが、自分自身この映画がいいのか悪いのか、結局よくわからなかった。まあそんな映画が最高な部類の映画ではないことだけは確かなのだが、モノローグの宗教的な部分がすべて聞き取れないことが功を奏して、悪くないな、などと思って映画館を出た。満足。