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みなければならない映画

十二人の怒れる男('57)シドニー・ルメット

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(今も生きている俳優は、このうち1人だけ。)

みなければならない映画には3種類ある。それは①過去の映画、②上映中の映画、そして、③見返したい映画。

①は、「映画史」の空白を埋めるために見る。今まで作られた古今東西の映画をすべて見ることは不可能である以上、「映画史」は結局のところ、自分が見た映画の記憶でしかない。「空白」は埋まるというよりも、むしろ広がる。そして②は、たとえば久しぶりに映画好きの友達と会ったときに、「ポニョ」と「インディ・ジョーンズ」の話しかできないという事態を避けるために見る。やはり映画好きをがっかりはさせたくはないものだ。③は、映画をどんどん見てゆく、数をこなしてゆく、というときにやっかいになる。が、好きな映画とは全て、見たことのある映画なので、いたしかたない。だけど不可解なことに、③のうち、見たときの記憶では特に好きにならなかったものを、なぜかまた見たくなるということがたまにある。その流れで映画を見て、面白いと思ってしまうこともある。じゃあ、いままで見た映画で好きにならなかったものから、今から再度見返すべきものがあるかどうか、そこも検討が必要なのか。

十二人の怒れる男は③でした。
高3の時に見たけど、こんなに面白い映画だったのか。

この映画の議論の楽しさは、ある種の飲み会に近いものがある。テーブルを囲んで、12人の男が議論をする。それぞれは偏見を持っていたり、やる気がなくて適当に議論に参加したり、意見を変えて追求されたり、とにかく罵倒したり、笑ったり(・・笑いは、あまりなかった、かな)、する。