« There Will Be Blood ('07) ポール・トーマス・アンダーソン | メイン | アイム・ノット・ゼア('07)トッド・ヘインズ »

ランジェ公爵夫人('06)ジャック・リヴェット

090720071743476677.jpg

ジャック・リヴェット最新作。そりゃまあリヴェットの新作を見ても、この前に書いたThere Will Be Bloodのような衝撃(a.k.a「市民ケーン性」)はないだろう。その上、バルザック原作、コスチュームプレイということで、まず敬遠されそうだけど、俺にとっては、今年見たラインナップにこれが付け加わって本当によかった。いまんとこ、今年のベスト!さすがリヴェット。シャブロルを見たときも思ったけど、ヌーヴェル・ヴァーグのビッグ・ネームは新作逃さず追ってるといいことあります。

プロローグみたいなところで修道女が出てきたりして、リヴェットの修道女の内容をほとんど忘れていることを思い出したりしました。で、実はこの映画、「ランジェ公爵夫人」を演じる主演のジャンヌ・バリバールでもう半分OKでした。額から鼻にかけてと、鼻から口にかけてと、目が。つまり顔が、よかった。というか大好き。登場からラストまで、ぞくぞくするほどいいです。しょっちゅう替わる衣装もいいなあ。特に赤いドレスと黒のマント、もしくはその逆、両方あるけど、すばらしいです。あとこの映画では演出上、長椅子が重要なんだけど、将軍の家で座らされてた赤と黒のソファのところ、圧巻でした。で、もちろんルプチャンスキー氏の撮影もいい。ラストシーンの、海のショットの短さも泣けます。オリヴェイラの夜顔の主演コンビのビュル・オジェとミシェル・ピコリもいい仕事しています。