近況： 最近いまひとつ。その２．
『緋牡丹博徒 お竜参上』（'70東映）を見る。名作名作といわれているけど、そして藤純子は俺も好きだけど、やっぱり健さんの任侠もののほうがいいよなあ。なんかコントっぽいんだよなあ。
女の立ち回りをやれてねえ、とマキノ雅弘なんかは言っている。女には女の立ち回りがあるのに、男の真似やってて野暮ったいのだそうだ。そこまではわからないけど、俺は『緋牡丹博徒』シリーズはイマイチ乗れない。せっかく加藤泰だけど、『幕末残酷物語』なんかのほうがぜんぜんかっこよかったぜ。
ということで俺はもう、しばらく『緋牡丹博徒』は見ないな。
前後してキーラ・ナイトレイ主演のトニー・スコット監督の『ドミノ』を見る。悪くない。感動もしない。
詳しくは『映画の記憶喪失』にのってるけど、登場人物に感情移入できないというこれがトニーの確信犯的な映像スタイルで、しかもアフガン関係の話を入れて政治的な話にもなっている。
キーラ・ナイテトレーはいかにもイギリス女で悪くない。良くもない。そう、また煮え切らない映画を見てしまった。ドミノが実在の人物だったってことにはビビった。
"my name is Domino Harvey. "(キーラ・ナイトレー）
そういえば吉田喜重のBOXからこんなのを見た。
どっちも１０年以上前、世間が映画百年とかでなんとなく盛り上がってたころにとられたT.V.向けのドキュメンタリー。小津を語る吉田氏のナレーションはまるで論文を読み上げてるようなしっかりした内容で、何度か巻き戻して（「巻き戻す」って言っちゃうDVDなのに）見てしまった。明晰さに関心する。
ガブリエル・ヴェールのほうは、感動したのは吉田氏がインサートしている画面が、横浜の海とかだけど妙にきれいだったこと。ヴェールの映像もよかった。そこそこ感動する。