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ターミナル('04)スティーブン・スピルバーグ

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つまらん映画ばかり見ててもしょうがないのと、若いタケシが見たくて『その男、凶暴につき』('89)を見返す。寝る前に、冒頭の家までガキを殴りにいくシーンまで見るはずが、当然最後まで全部見る。

その後の北野映画のほとんどがここにあると錯覚してしまうほどすごい。間がいいなあ。タケシの服装もいいなあ。ずっとイライラしてるところもいいなあ。あの刑事(我妻)が絵の展覧会に行くシーンなんてのもあったのか。「どいつもこいつもキチガイばかりだ」ぜ。

これ、タケシが直す前の脚本はコメディだったらしい(参照)。この映画が撮られたときのサイド・ストーリーをもっと知りたい。スタッフとの確執とかをタケシが話はしてたけど、本当にそんなにあったのだろうか・・・


で、この『ターミナル』はスピルバーグの『ミュンヘン』の前の映画。空港の中で繰り広げられるお話。最近のスピルバーグは全部見ておこうと、抜けてたこの映画を見る。まぁ半笑いくらいはできるが、それほど盛り上がれず。コテコテです。

英語ができない東欧人役のトム・ハンクスがニュー・ヨークの空港に着いたとたんに自分の国家(架空の国「クラコージア」)がなくなり、出してももらえないし帰してももらえなくなるという設定。空港はセットとのこと。そりゃそうか。

ガラス張りの空港という、いわば「アメリカの入り口」で監禁状態になってしまう一方で、その空港の中にアメリカの縮図を見出している。この設定は無理があるとはいえいいと思うんだけど、その後のごたごたがけっこうきつい。

特に、言葉がわからないので、最初はとにかく四苦八苦するというところから始まるんだけど、なぜかトム・ハンクスが、かなり愚鈍な男として設定されているんだよなぁ。

俺は『ロスト・イン・トランスレーション』でも嫌いだったけど、このアメリカ人が英語をできないひとをバカにするハリウッド映画の暗黙のルールがイライラしてしょうがない。これについては、どうもシャレとして見れない。トム・ハンクスのせいかもしれない。

キャサリン・ゼタ・ジョーンズがいいというけど、まあまあ。