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Mr&Mrs スミス('05米)ダグ・リーマン

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ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーが出会って結婚に至った映画。コメディ。
ヒッチコックの『スミス夫妻』('41)のリメイク、らしいが、こんな話だったか?

ヒッチコックの『スミス夫妻』を見たときの自分のメモを見ると、「結婚3年目の夫婦が自分たちが手続きのミスで法的には結婚していなかったことを知り、お互いを挑発する目的で結婚を無効にしたいと、心にもない行動をとり続ける、というコメディ。」とある。

こっちの映画でそのテーマが引き継がれているのかというと、そうでもなく、結婚相手を心理的に挑発するという部分が希薄。強気な妻が殺したくないという本音を隠しているという部分がかわいいと、アンジェリーナ・ジョリーのファンなら思うかもしれない。

とにかくなかなかに感情移入しづらい話だった。『スパイ・ゲーム』でも思ったけど、ほんとブラッド・ピットってつまらん役者で、その責任のほとんどは彼にあるだろう。

『スミス夫妻』と大きく違うのは、二人が殺し屋で、実際に殺しあうという設定。二人とも本当に殺したいわけではなく、組織の命令上しかたなく、ということで強がっているんだけど。最終的には仲直りして、攻撃の矛先が変わる。ここらの筋書きはめんどくさいので割愛。アクションの最中に結婚生活で嘘ついていたところを相手に告白していくところは面白い。多分面白い。

キャロル・ロンバードが演じた妻は(こんなにリメイクという部分にこだわる必要ないけど)、ニコール・キッドマン、キャサリン・ゼタ=ジョーンズがキャスティングの候補に挙がっていたことからも色気のある強い女というイメージの女優にしか演じられないとされたと思われる。結果的には最高のキャスティングになったはず。