I had a dream ⑧
無限に増殖していく脅威のクソったれ、「WW β」は、他の奴等に擬似化するために発見する事もできなければ、潜伏期間もランダムなので、本来外からしか破壊されようが無いのだが、ついにそれも終わった。
全てが奴等になってしまったからだ。
そこで困り果てた「WWβ」は、新たな戦略に出る。
簡単な事だ。
奴等の内部に外部を作り始めたのである。
つまり、ある一定量の自分達を他のくそったれに擬似化し続けることで、自分達を成り立たせようとしたのであった。ポゼッションはコントロールできない。できたらそれはもはや外部ではないのだ。
しかし、結局、「WW β」は勝利してしまった。
当たり前だ。過去そうだったんだから。
1番なのが2番以降をまねして1番に勝てるわけがないのでありました。
そこで困り果てた奴等は、新たな目論見を始めた。
単体一つ一つの中に新たな「クソったれ」を構築して、さらにその中にも「クソったれ」を構築して・・・
という外部化しない無限増殖の形をとったのである。
・・・・・些細な欲望が加速した結末とは。
部屋中がタバコの吸殻でまみれて動けなくなり、もはや外部は存在しない。
シケモクを吸い続けるしかなくなる。
こうなったら忘却しかあるまい。
そういうわけで先ほどから地面に頭を打ち続けているが、ますます目が冴えるばかりで、埒が明かない。
結局、根拠の無い自信というものが一番凄い。
ってなわけで、先ほど、音が鳴らなくなったスピーカーを思いっきりひっぱたいたら音が鳴った。
「ブオーん」とか言ってた。
音はどこまでいったってなり続ける。
ジュルルル。
(つづく)