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マーニー('64)アルフレッド・ヒッチコック

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かなり前に見たことがあったけど、なんかひっかかる魅力があった気がして、なんとなく見返してしまった。ティッピ・ヘドレン演じるマーニーは重要なことを忘れていて、エンディング近くでそれを思い出してゆくんだけど、見終わってわかったことは、マーニーの記憶以上に俺の記憶があやうかった。

記憶では、ショーン・コネリーとティッピ・ヘドレンが出ていて、なんか赤いかばんが重要なモチーフとして出てきたきがするんだけど・・出てこないね。冒頭の1カットで黄色いかばんは出てきたけど(写真参照)。この映画においては色が赤かどうかって、重要なんです。

俺の記憶はおいておいて、この異様なオープニング、そしてバーナード・ハーマンの甘~い音楽、ほんといいねー。まだ50年代の雰囲気。『北北西に進路をとれ』とかもだけど、このあたりのヒッチコックの世界はもう、理想郷ですね。ティッピ・ヘドレンのオフィスでの服装とか最高です。

映画のテーマが精神分析みたいなことになっているんだけど、まあそれはそれとして、赤いインクをこぼすシーンとか、コネリーの住む屋敷に最初に訪れるところとか、なかなか変態性が高くていいです。ちなみに金持ち屋敷は最初はよかったけど結婚してからいまいちだった。というか、映画自体二人の結婚生活に入るあたりで一回テンション下がるね(金髪美女で不感症の妻が夫をベッドに入れてくれないって、ブニュエルの『昼顔』っぽいな)。

母親の住む小さい家(長屋風の)は、いい。なんか『フレンジー』っぽい。