« 邂逅(めぐりあい('39)レオ・マッケリー | メイン | JLG/JLG ('95)J=L.ゴダール »

春物語('90)エリック・ロメール

printemps1.jpg

去年の末に全部見ようとして、「春」はまだ見ていなかったロメールの「四季の物語」シリーズ。ユーロスペースでロメール特集が始まるとのこともあって、最後のひとつを見た。花や木を中心として、春を感じさせるものは随所にあって、パリの室内も、そして郊外の家に泊まりに行くところは特に、ヨーロッパ特有の初春の空気が気持ちよいです。春とはいっても、冬の終わり、ようやく春かな、という時季ですね。

パリで哲学の教師をする主人公の女が、自分の部屋をいとこに貸していて、期日が来てもいとこが出て行かずに、自分の泊まるところがなくなってしまい、パーティでちょっとなれなれしい少女と出会い、その少女に泊めてもらったり相談に乗ったりするうちに、彼女の家庭環境にかかわりを持っていく、という話ですが、ストーリーは「四季の物語」でも一番地味で、ほとんどが会話、会話の連続で、けっこう疲れますが、まあ軽いといえば軽いです。主人公の女(写真の右端)がよかった。けれど、この映画に出た後はもう映画に出ていないようだ。残念。