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Bob Dylan at Zepp Tokyo (2010 3/21sun)

9年ぶりの生ボブ・ディランでおます。
グ~っとヒスパニック方面にまで気を使ってるような、新しいマイノリティー達のためのアルバムのような『Together Through Life』を引っさげてのワールドツアー。今回は嬉しいことにホールツアー。その関東公演の初日に行ってまいりました。

前回は、長い低迷期から今に繋がるディラン復活の楔となった『Time Out Of Mind』を引っさげての最強メンバーによる来日でございました。4回も見に行って(一回¥12000)、その月はもう、他は捨ててたのを覚えております。

今回はその教訓も生かして(嘘です)、この、一回きり。
しかもなるべく過度なバイアス (伝説 とか 神 とか 好き とか 人生 とか) をかけないように、他のアーティストと同じくらいの気軽な気持ちで見てみようという感じでのぞんだんですが・・・・

結論からいえば、あのオッサン、アホです。 

どういうアホかといえば、絶対どう見られているのか、ということに気が回る敏感で繊細な人なのにもかかわらず、最後は「知らん」ということでやってしまっている、天然のアホです。 それを文脈次第で、人は、「天才」と呼ぶこともあるんだという。

最高なアホです。

やっぱり、マイルスと似てる・・・

殆どキーボード弾いてたんだが、もう、「上手い」とか「下手」とかを超越した好き勝手な弾きっぷりにニヤニヤが止まりませんでした。 

そして、近い。 物凄い近くに、あのアホのオッサンがおる。

アレンジもアホでした。
ベタなブルース展開系曲では、盛り上げ方とかブレイクの構成とかがほぼ一緒。 Elmore Jamesかよ。

でも、マジで最高に盛り上がる・・・ ああ。 ここにおいて、ボブさんはもはや、歴々の偉大なブルースマンのような方法論を獲得しておるのだ、と痛感するのです。 あの、ボイシング・・・。 格好いい!!!!

「Cold Irons Bound」 や 「All Along The Watch Tower」 にいたっては、リズムの些細なニュアンスはシカトされて、殆ど四つ打ちみたいな、あり得ないアレンジで演奏されていたのだが、これがまた、なんかしらんが妙に胸に響く。 

いやー。今回も最高に裏切られましたよ。 その、飄々と聞き手を裏切る変わらなさ。 最高でした。


ハイライトは最強にノリノリ、ブレイクの嵐であった 「Highway 61 Revisited」 からの 「Not Dark Yet」。

号泣しました。


超、現役でした!!!!!!!! 最高に格好良かった!!

くそ。 わかってたことだけど・・・ 他の曲も聞きてぇ・・・  もう一回行きてぇ!!!!


セットリスト

1. Watching The River Flow
2. Don't Think Twice, It's All Right (Bob on guitar)
3. I'll Be Your Baby Tonight (Bob on guitar)
4. Sugar Baby
5. Tweedle Dee & Tweedle Dum
6. Shelter From The Storm
7. Summer Days
8. Tryin' To Get To Heaven
9. Cold Irons Bound
10. Mr. Tambourine Man
11. Highway 61 Revisited
12. Not Dark Yet
13. Thunder On The Mountain
14. Ballad Of A Thin Man

(encore)
15. Like A Rolling Stone
16. Jolene
17. All Along The Watchtower

大阪公演の様子↓

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