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08/07/31 WTO破綻  −荒っぽい農業か、手間のかかる農業か− 

 WTOが破綻した。

 
 途上国などにこれ以上クルマを輸出するのはより難しくなった。
一方、待ったなしだった農業では、防戦の時間が出来たと言う声もある。


 アメリカ、オーストラリアの大規模農業と日本の手づくり農業では、コストでは比較にならない。この間、輸入農産物が洪水のごとく押し寄せて、小麦、大豆、トウモロコシ、畜産等、後退に次ぐ後退が続き、食卓は今やほとんどが外来に占められている。攻勢は止まるところを知らず、本丸のコメへの圧力も高まっていた。


 だがどうもこのところ雲行きが変わっている。輸入穀物の価格が上がり続けている。安い輸入農産物にもっぱら依存してきたわが国だが、どうもこれからはそうはいかなそうだ。輸出する程余るなら価格は下がるはず。当のアメリカ、オーストラリア、声高に農産物自由化を言うものの、本当に長期安定的に輸出が可能なのか。例えばオーストラリアでは2006年史上最大の大旱魃以後、小麦の生産量は半減した。飼料穀物等は輸出どころか輸入依存に転じている。


 状況はどうやら旱魃に止まらないようだ。温暖化の影響と言うが、それ以上に致命的に思われるのは、新大陸の広大な農地の土壌流茫、塩害、地下水枯渇。こうなると二度と農地に戻らない。


 問題は水と土である。それなら日本に地の利がある(この問題はまた別に書く)。「荒っぽい農業」と「手間のかかる農業」、どちらが先にダウンするか。そのデスマッチになった。日本国民はどちらを応援すべきか?
 答えは明らかだが、問題は日本の農業の先行きだ。海外からの大攻勢の中、かろうじて持ちこたえてきたものの、農地の荒廃や従事者の高齢化など眼を覆いたくなる現状だ。これも永い間の政治のなせる技である。


 ともかくもWTOはヒト休止、当面、必要な資源をほどほどの価格で安定的に供給し合える、利害を共有できる適当な相手を見つけ、EPA、FTA等、個別にうまく折り合いをつけることを当面の課題にすべきだろう。