2008/01/29 道路特別会計、そもそも処方が間違っている
〆て65兆円、1割負けて59兆円なりの道路中期計画の話の続き。
冬柴国交大臣は通学路だ、踏切だ、救急車だと言うけれど、実は相変わらず事業量の4割、24兆円が高速道路、これが本命だ。高速道路の建設には50~200億円/kmかかる。まだメドのついていない2,900kmのすべてを造る、いくら倹約してもそれくらいはかかる、という計算です。いつの間にかまた「高規格幹線自動車道14,000km」が生き返ってしまいました。
ところで、この「高速道路ネットワーク」は、「日本中どこでも1時間以内に高速道路に乗れること」を目標としています。なるほど一見もっともだが、よく考えるとおかしいな。
かつて私は国会で質問しました。
「一時間で到達できない国土面積は?」
「未だ国土の1/4が残っています。」
「では、人口では?」
「……4%です。」
なるほど。残された4%のためにさらに2900㎞の高速道路を造るわけです。
「いや、たとえ無人でも、ネットワークとしてつながってなければ不完全です。」
確かに、日本列島に張り巡らされたネットワーク図をみていると、あちこちで白抜きのままの道路網計画、結んでないのは中途半端に見えるのでしょう。
しかしこの理屈、やっぱり的が外れています。この4%の人々は広い領域に分散しています。大きな道路一本で網羅するのは無理があります。より役立つのは毛細血管型のネットワークを再整備することです。あちこちからヒゲ根を集めて、既にある最寄のインターへアクセスを確保する方がよほど理に適っています。
国も地域も人間の肉体と同じ、どこまで行っても大動脈だけ、ってわけにはいきません。健全な毛細血管網があってはじめて、すでに造った高速道路も張り切り甲斐があるというものです。動脈硬化も問題だが、より深刻なのは、先に行って毛細血管に血栓が詰まっていることです。
さて、実はこの14,000km、2030年まで伸び続けるという将来交通需要(H14・11発表)を前提に計画されています。この予測値、なぜか1999年の道路交通センサスが基になっています。先にも書いたが、2007年の最新データで見ればすでに交通量の伸びは止まっているのです。早晩、血圧は下がるでしょう。大げさなバイパス手術よりも、毛細血管からからだ全体の若返りを図ることが今、わが国土に求められている緊急の課題です。
14,000kmの残りは、いつかはわからないが、いずれ余裕ができたらゆっくりやればいい。つなぎ法案で強行しなきゃならないほどのことじゃないのです。