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2006年03月25日

にせもの

直属の上司である課長が、いつもと違う時計をしているのに気付いた。
(自分は初対面の人に会うときでも、まず時計に目がいく)
話すくらいの距離から見ると、ロレックスのロゴを盤面に配していた。

この課長は社内外でいわゆる「だめな上司」として形容される事が多いのだが、
特に普段服装に気を遣っているわけでもなく、以前は駅で3,000円位で売ってるような時計をしていた。
個人的にはこの事が非常に気になり、40過ぎてわざわざ偽物を着けるはずもないだろうと思う反面、
彼に、いわゆる成功者の証でもあるロレックスを着ける風格が内面的も経済的にも伴っていないことを考えるといささか不似合いのために、偽物じゃないかという疑いがどうしても拭いきれなかった。

直属の上司でもあるし、普段は別に普通に話せるので思い切って聞いてみた。
「時計換えたんですか?いつもと違いますね。」
(あえてロレックスという言葉は出さない)
「ああ、コレ?前の時計が壊れちゃったからね。台湾に行った時に買ったんだ。4,500円位だったかな?」
笑顔で答える彼の言葉を聞いて心の中で愕然とした。
「本物なんて買えるはずないじゃない。」
確かにそうだと、心の中では激しく同意したがさすがにそれは言えないので苦笑するしかなかった。
よく見るとリューズの側面に王冠マークが描かれている程良く出来た作りだったが、シェルケースには錆が浮いていた。

この事はむろん同僚の間では笑い話となったわけだが、ある意味この事は誰もが納得する事実として抵抗なく受け入れられた。
見た目は大事、と良く言われるわけだが、見た目から人を判断することだけでなく、
逆説的な推察も当然成り立つのである。
高価なものを持つ人が選ぶだけでなく、物が、持つ人を選ぶというのはこういうことだと実感した出来事だった。

投稿者 sekiya : 2006年03月25日 00:38

コメント

うちの部長はダイソーで買った500円(最近のダイソーは100円以外のものもある)の腕時計を大事にしています。所詮安価なものだったのか、その時計のバンドが切れてしまいさすがに捨てると思いきや、またダイソーで交換用のバンドを買ってきて(それは100円)仕事中に付け替えてとても満足気でした。その部長は個人的にも非常に上司として慕っていたので、その姿を見てとても涙ぐましくなってしまい、まだ社会人3年程度のペーペーの私がウン万円のGショックをしているのが何だか恥かしくなりました。人間見栄を張りだしたらキリがありませんね・・。

投稿者 マジュニア : 2006年03月26日 13:22

痛々しい内容だな。普段着はとにかく、仕事で身につけるものには投資も含めて金をかけるべきだろうね。

投稿者 papa-maru : 2006年03月27日 08:29

おじさん族から…
仕事で身につけるものは、その地位にふさわしいものをえらぶべきでしょうね。社外的なことを考慮すれば、会社の威信にもかかわりますしね…
時計とは?という価値観の問題でもありますね。
因みに、私は仕事ではセイコースピリッツ(アナログだが、月差数秒の正確さが気に入っている)、オフではLUCIANO FORNERIS(昨夏逝去の義弟の形見)を使っています。

投稿者 yumemaro : 2006年05月06日 09:38

yumemaroさん>
SEIKOは私も愛用していますが、確かに時間はほとんど狂わないですね。舶来品に憧れはありますが、機能的には国産で十分でしょうね。

投稿者 管理人 : 2006年05月07日 22:46