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捨て台詞

最終電車でチューインガムをパチンパチン言わしている女があまりにも騒々しいので、向かいの席から本を開いたままの俺がジロリと睨みつけたところ、その女はちょうど今寝ようかと思っていたような顔をして目を伏せてしまった。

東京駅でその女が降りる、扉から出るか出ないか、その瞬間に、捨て台詞のようにガムをパチンとならすところを想像してどきどきしていたのだが、そんな事件は起こらなかった。

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