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THIS IS ENGLAND ('06イギリス)シェーン・メドウズ

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1983年のイングランドの地方都市を舞台に、ある男の子を通じてフォークランド紛争当時のイギリスを描く。戦争で父親を亡くした男の子は、不良の仲間にいれてもらい、あるきっかけで排他主義な国粋主義者とつるむようになる。

話はほんの数週間のことなんだけど、これが監督自信の子供時代を振り返る感じということらしい。イギリスでは大ヒットしたらしい。監督のジェーン・メドウズは映画を撮った当時で34歳くらいだったと思うのでかなり若いんだけど、自分の子供時代を描いて「これこそイングランド」っていう題名をつけるなんて、かなり面の皮の厚いやつと見た。映画もけっこうコテコテの音楽使いやクローズアップとかあるんだけど、これがけっこう感動させられる。

この映画のいいところは何よりもキャラの描写が徹底しているところで、主人公のちょっとポール似の不良少年が口答えするところとか、パンツ一丁でベッドにいるところとか、いいです。国粋主義者のコンボもなんとも切ない。ウディという不良のリーダーやその彼女のロルはじめ、脇役もいちいちキャラ立っていて、このへんはすごい。

80年代(後半)のイギリスのハイスクール文化を肌で感じた世代である俺としては(ハイスクールとは高校のことではなく、日本では11才に入学する学校で小学校高学年~大学に入る手前くらい?に相当する学校)、ついにここらへんを「子供時代として回顧」する映画も出てきたかーという感慨がある。監督が若いから、これはだいぶ早いほうでしょうね。