ローラ('61)ジャック・ドゥミ
オープニング,"LOLA"(マックス・オフュルスに捧げる)とタイトルが入って白いアメ車が疾走するタイトル・バックでジャック・ドゥミの処女作への気合に触れ,傑作への期待が高まる.
更に,めまぐるしく入れ替わる人物配置の演出,ラウール・クタールによる撮影の「自由さ」,小さな町を舞台とした設定のよさ,逆光に沈み込む表情,それらすべてがかもし出す映画のリズムの魅力について,見終わった後にカマカリとひとしきり確認.登場人物も関係なさそうでいてそれぞれがいい.アヌーク・エーメはちょっと意外なキャスティングだけど,まあいいや.ところどころすでにミュージカル映画への憧憬も垣間見れる.ミシェル・ルグランの音楽が最高.
期待通りの傑作.