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バンク・ジョブ('08)ロジャー・ドナルドソン

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70年代ロンドンで闇に葬られた銀行強奪事件の、実話にもとづくストーリー。かなり面白いので、要チェックです。

主人公はけちなワルやってる男なんだけど、昔からの知り合いの女に持ちかけられて、人生を賭けて銀行強盗します。実は女を使って強盗をけしかけた奴には他の思惑があって、それは銀行の貸し金庫に預けられているマーガレット王女(エリザベス2世の妹)の乱交隠し撮り写真を奪い返すためだったんだけど、主人公の機転でうまいこと強盗に成功します。

でも、貸し金庫にはトップ・シークレットの情報がわんさかあるので、結果としてパンドラの箱を開けてしまったことになり・・・と話が入り組んでいるところが面白いんだけど、その説明はめんどくさいので省きます。

内容としては、王室スキャンダル・銀行強盗・イギリス・MI5,MI6・70年代とかのかんじで、でも007見たいではなくリアルで、そのへんのチンピラレベルの実行犯が、国家レベルの思惑に巻き込まれていくという意味では、ミュンヘンに似てます。

主人公はだんだんそいつがかっこよく見えてきて、もっとも追い詰められたときに見せる機転がすごくて、そしてそのときの顔が地下鉄に乗り込むところ(写真参照)なんですね。ここはいいですよ。

主人公やゴージャスな女を含む強盗チームがなんとなくルパン三世みたいメンツだなあ、と見終わってから思いました。でもコミカルじゃありません。念のため。

マウントバッテン伯爵とか出てきて、イギリスの事情を全くしらないとピンと来ない部分もあるかもしれない。でもマーガレット王女はすでに故人とはいえ、よくこんな映画作れるなあ。あと「貸し金庫に秘密の写真とネガを保管」とかってアイディアはインターネットのある今は、もうないね。