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不都合な真実('06米)デイビス・グッゲンハイム

前アメリカ副大統領のアル・ゴアが地球温暖化を説明し、対策を訴える啓蒙ドキュメンタリー。ほとんどがスタジオを使ったゴアのプレゼンテーション。ゴアはプレゼンテーションの画面を準備する助手と二人で世界中を回り、1000回以上講演をしてきたという。地球温暖化については予想通りの衝撃的な内容ということなんだが、やっぱり東京も東のほうから水没するんだろうか。いやだなあ。オランダとかどうすんだ?

地球温暖化防止はコストがかかる上に効果が少ないとかでブーブーいう人がいっぱいいるみたいです。「30年前に比べて氷山がこれだけ減りました」とかいうスライドは、反論する側から「でもこっち側は増えてるみたいよ」みたいな感じでしょうもない議論を生み勝ちなので、適度にショックを受けるためのものだろうと思っておこう。

ゴアが訴えかける相手は主にアメリカ人で、彼らは世界で最も多くの二酸化炭素を排出している一方で最も減らそうとする努力が足りない国民なので、しっかりと説教してもらいたい。中国?中国はアメリカよりは規制が厳しいよ、とゴアは言う。本当かどうかは知らない。

で、じゃあなにをやればいいの?という人がいるけど、地球温暖化防止のために電球をとりかえたり車を控えたり、という各自の努力の積み重ねからやってこうということなんだけど、「じゃあどうすればいいんですか?」とか言う人は、そういう前に自分で考えてね、とも言う。そりゃそうだな。それと、やっぱりこうやって政治力がある人がやると効果があるんじゃないかと思う。

さて、地球温暖化と同時に注目すべきはゴアのプレゼンそのものなんですが、まあ政治家だし、アメリカ人だし、しかもゴアだし、ということでさすがのうまさ。完全にクリーンなギャグもはさむ。自虐的かとおもいきや結局ポジティブなギャグ。全部ポジティブ。暗い側面みせつつポジティブ。

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カエルを救出することも大事なことですよ。」(アル・ゴア)