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相談⑥

イギリスではサッカーの観客の目が肥えていて(なんていうともっともらしい話を始めるようだが、これはREDから新年に教えてもらったことだ)、選手のプレーに対して全員が息の合ったリアクションをする。特にミドルシュートをした選手には拍手、というのがあるが、これはミドルシュートをしただけで拍手だ。惜しいミドルシュートや、ジャストミートした、いいミドルシュートではなく、ヘボヘボでもミドルシュートしたら拍手。つまり、客は眼に見えないものに対して拍手をしている。選手の精神に対して拍手。ためしにテレビ観戦しながら冗談で真似していたら、たしかにこっちも楽しくなってきた。ああ、これだな。これが日本人の間ではいまひとつコンセンサスが取れていない、盛り上げていく方法の一つなんだな。スポーツってこういうの大事だよな。

ポイントは、観客が意識的にそうしていることで、チームに戦闘的な雰囲気が芽生えていくことである。ナイストライに対して、まあ一方ではそれぞれ思いはあるにしても、それは置いておいて全体としては拍手で評価、それによって場が盛り上がり、次々とトライする風土になっていく。これは、一方で皮肉屋・批評屋の土壌も根強いイギリス人が挑戦するための集団心理として必然的に生み出した手法なんだなあ。応援団のように無闇に盛り上げるでもなく、ミーハーなファンのように偶発的な結果だけを褒め称えるでもなく、最高の結果を目指して選手の心理に訴えかけていく観客がいるなんて(というかそんな観客しかいないなんて)、さすが戦争とスポーツが盛んな国である。とても真面目な国民性だと思う。