Future Days
家の近くのラーメン屋は、まあ美味いんだけど、
行くと大概俺一人しかお客さんがいなくて、
店には店主と俺しかいなくて、店主とも全くしゃべらないんだけど、
どこかから誰かの声が聴こえてくるのでした。
最初は俺の勘違いかとも思ったのだが、
ようく耳を澄ましてみると、どうやら店主が一人でぶつぶつ何か呟いているようなのだった。
最初は聞き取れるか聞き取れないかくらいのものすごく小さな声なのだが、
最後には怒号に変わる事もしばしば。
その「独り言」の内容というのがまたディープで、「石原将軍がそういっていたではないか!」
とか、「前回の国会で既に俺が言ったじゃないか!また今更俺がこんなことをいわなければならないのか!」とか。そういう感じなのです。
そしてニコッと「黒豚ラーメンお待ちどうさま」と言ったりする。
俺が「NHKのど自慢」を見てニヤニヤしながらラーメンを食っている間も、
「いい加減にしろ!この野郎!」
とか言っている。
そして俺は、今日もまた「ごちそうさま」と店を出るのでありました。
「サービスの質」? だって?
お前等本当にいい加減にしろ。