Can You Please Crawl Out Your Window ?
ガキの頃はそのまま身長が止まってマラドーナになると思っていたし、石崎先生と結婚できると思っていたし、虫が異常に好きだったし、毛虫をつかめたし、100メートル先のくぬぎの木をすぐ見つけられたし、親が怖かったし、ビートルズとカーペンターズの違いがわからなかったし、太陽がなきゃ駄目だったし、「ローマ」とか「リバープール」とかいう国があると思っていたし、東京の首都が東京であることの意味がわからなかったし、痛いと言うだけですぐ泣いたし、エイリアンを見て号泣したし、無茶しまくったし、よく骨折とかしたし、苛められたし、苛めたし、すぐ恋をしたし、すぐ飽きたし、一人で川辺でザリガニやおたまじゃくしを見ながらだらだらするのが好きだったし、たいがいの嘘は信じていたし、すべてに怯えていたし、すべてに憧れていた。
ガキの頃の俺が今の俺を見たら、号泣して走りながら逃げていくんじゃないだろうか。
そして。今の俺はその子に対して、精一杯の愛情と伴に「ガキが」と一言投げつけるだろう。
等とたまには言いたいもんだ。
実際はたぶん「わりぃ」とか言うんだろう。